さらば

 三年半が経った。

あの日推しに出会って、勘違いして、ガチ恋して、リプが返ってくるたびにときめいて、脱退してアホほど泣いて、恨んで、ストーカー未遂して、個人のメールのやり取りして、突然告白して、妹みたいだと言われ、そのままメールを返すこともなくフェードアウトした。

そして、この二年半、私自身の人生はなかなかに地獄のようであった。それは自業自得の地獄であり、まともに生きれないものかと自分を恨み、散々涙を流し、散々他人に迷惑をかけ、やっと人前を歩けるようになった。まだ俯きながらも。

 

推しの存在は、私にとって一瞬の夢だった。そして、一瞬の夢でしかなかった。いくら好きでも、推しの言葉は転落してゆく私の支えにはならなかったし、本当に珍しくもなんともない感情の揺れだったと思う。特別だと思っていたが、全くそんなことはなかった。悲劇のヒロインになったつもりだったが、全くそんなことはなかった。

人生一の恋ではないかと思っていたが、たぶんそんなこともないんだと思う。こう気づくことも、大人になったということなのか。この頃、新生活を始めた住処の近くを流れる川のほとりを歩く早朝、そんなことを思う。自分はもう大人に近づき、特別だと思っていたことが何も特別じゃないと気づき、魅力的に感じていたものが本当はさほどでもなかった、と。自分は年齢だけは確かに重ねていくのに、あまりにも垢ぬけない容姿すぎやしないか?これは関係ない話だが。

 

ただ、楽しかった。これがすべてだし、もう推しを思い出して悲しくなることもない。たまに何か活動してるかなと名前を検索してみる、それくらいだ。まだ地元に住んでるのかな、何で生計を立ててるのかな、幸せに生きてるかな、答えを知りたいとは不思議とさほど思わない。

やっと、やめられた。もう卒業と言っていいよね。私はなんとかこの魅力的じゃない人生を生きていくので、どこかで元気にしていたらそれでいいよ。芋ガキのくせにいきなり告白してごめんね。今幸せならそれが続きますよう、幸せとは言いづらいんならもっと良いことがありますように。

ありがとうございました。