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推しへの手紙のような気持ち悪いもの

 確かにあの場所に君はいたんだ。

その記憶すらも薄れている自分が嫌になった。
手の届きそうな距離で輝く君を、もう二度と見ることはない。大好きなあの笑顔で頷いてくれることもない。
 

今日、君のいないグループのライブに初めて行った。6人だったグループは5人になり、君は最初から居なかったかのように扱われている。

新しくファンになった人ももちろんいて、君のことを知らないファンもそのうち増えてくるのだろう。

君は最初からのメンバーで、確かにあの6人の端で輝き続けていた。

君の居場所を奪う資格が誰にあったんだろう。私のようないわゆる熱狂的なファンに挨拶もせず、何も言わずに去って行かせるような。

 

久しぶりに見た5人は、相変わらず輝いていた。

君の歌割もポジションももちろん無くなり、最初から5人だったよう。一瞬君のことを忘れてしまったが、不意に記憶が蘇った。

ああ、ここは君のソロだった。ここの振りをする君が優しくてかっこ良かった。ああ、あの二人のシンメは最高だった。

そうやって次々と記憶が引き出されていって、澱のように溜まっていく。

君に会いに追いかけた沢山の場所がまた蘇って、着ていた服も表情もしてくれたことも何もかもが奔流した。

君がいるはずだったステージに、何回目を閉じて開けてみても君はいなかった。

 

君の次に好きだったメンバーはやっぱり可愛かった。チェキも撮った。

だけど君はずっと君のままで、私の中で一番のままだ。

私だけの君にしたかった。リアコしていた。でもファンに微笑みかけたくさんのファンの中から私だけを見つけてくれる君に、これ以上求めることはなかった。

君は今もどこかで、きっと近くの街で生きている。だけど、私にとっての君はあのステージで輝く君だけなんだ。

それは今も変わらずキラキラ笑いながら歌い踊り続けている。

 

君の歌い踊る姿が、あの6人の端で輝く優しい笑顔が好きだった。

けしてかっこよくはなかったし、とりたてた魅力もあるわけではない。他の人に写真を見せたら高確率で首をかしげられるような、私にとってはそんな人だった。

でもそんな人だからこそ好きになったのかもしれなかった。

本当に好きだった。未だに忘れるなんて出来るわけない。

物販の際、グッズリストのチェキのところで君の名前だけがマジックで黒く塗り潰されていた。君の存在も塗り潰されていた。塗り潰されるようなことをした君。

私の見ていた君は塗り潰されていいような存在なんかじゃなかったのに。

 

しつこいけど、君のことが本当に好きだったんだ。